ウーバーイーツの配達員をしていると「ピンずれ」と呼ばれるトラブルが発生することがあります。これからウーバーイーツの配達員になろうと考えている人のなかには、「ピンずれが起きたら、どうすればよいかわからない」といった不安を感じているのではないでしょうか。
ピンずれが発生すると、配達場所がわからず、配達効率に支障が出てしまいます。ウーバーイーツの配達員として効率よく配達するためには、ピンずれが起こる原因への理解を深めることが大切です。
本記事では、ピンずれは具体的にどのようなトラブルなのかについて解説していきます。ピンずれの発生事例や防ぐ方法も詳しく紹介するため、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
目次
ウーバーイーツを運営している会社は?
ウーバーイーツの運営会社は、「Uber Technologies Inc」です。物流や輸送支援のプラットフォームを手掛けるテクノロジー企業であり、ウーバーイーツの専用アプリは、同社から2015年にリリースされました。
ウーバーイーツの日本本社は「Uber Japan株式会社」です。2016年に東京でサービスが開始され、2022年現在では、国内で多くの人に利用されている人気のフードデリバリーサービスといえます。
ウーバーイーツにおけるピンずれの意味と原因について
ここでは、ウーバーイーツにおけるピンずれの意味や発生する原因について解説していきます。ピンずれが起こる原因を理解・対処することで未然に防ぐことができるでしょう。
ピンずれとはなに?
ピンずれとは、注文者の希望している配達場所に対して、アプリが指示している配達場所が異なることです。
ウーバーイーツの配達員は、基本的にウーバーイーツ専用アプリを用いて配達を行います。アプリの地図上には「ピン」と呼ばれる、特定の場所を示すアイコンが表示され、配達員はピンの位置を目印にして、指定の配達先へ向かいます。
ピンが本来の配達先とは別の場所に表示されると、どこへ配達すればよいのかわからなくなり、配達に支障をきたす可能性があります。配達時間が遅れてしまうと、クレームが発生することもあるでしょう。
ピンずれの原因①注文者の住所の入力間違い
注文者による住所の入力間違いでピンずれが発生することがあります。住所の丁目から番号までしっかり入力しなければ、適切な位置にピンが刺さりません。なお、郵便番号のみを入力した場合にもピンずれが発生します。
また、注文者がGPS機能を使い、現在地から注文したことでピンずれが発生するケースもあります。GPSの情報を入力して注文すると正しい位置情報を示すことができず、ピンずれが発生することもあるでしょう。
ピンずれの原因②Google マップの使用
ウーバーイーツの配達員が、Googleマップを使用したことによってピンずれが発生するケースもあります。原因として、Googleマップに配達先の住所の地図データが掲載されていないことが考えられるでしょう。
ウーバーイーツの専用アプリでナビを起動させると、デフォルトでGoogleマップが表示されます。このとき、指定住所が正しく表示されているかを確認してください。「〇〇市」しか入っていないことや、番地まで表示されていないことがあります。
ピンずれの原因③アプリが英語ベースで開発されている
ウーバーイーツの注文アプリは、アメリカで開発されています。そのため、アプリ内の言い回しや注文方法にクセがあり、操作しにくいと感じることもあるでしょう。
注文アプリは、英語ベースのアプリを日本語に翻訳されているため、日本人向けに表示されていません。具体的な例を挙げると、住所は「番地→町名→市名→県名→郵便番号」という風に、日本式の住所表記とは異なって表示されます。このことから、住所の入力ミスに気づきにくく、ピンずれが発生しやすくなってしまうでしょう。
ウーバーイーツのピンずれが起きたケース
ウーバーイーツのピンずれはさまざまなケースで発生します。どのようなケースで発生するのか、事前に把握しておくことでピンずれを防げる可能性があるでしょう。ここでは、ピンずれが起きたケースを3つ紹介します。
配達先が県の中心・市役所・名所になっている
お届け先のピンが、県の中心・市役所・名所などに刺さっているケースがあります。これは注文者が注文する際に、住所の入力を間違えてしまったことが原因として考えられるでしょう。ウーバーイーツ注文アプリの操作に慣れていない注文者が起こしやすい事例といえます。
例えば「東京都世田谷区」のみ入力して、検索のリストに表示される「世田谷区」を選択すると、世田谷区役所にピンが立ちます。世田谷市役所がエリア内であればエラーは表示されず、配達先が世田谷市役所となったまま注文ができてしまいます。
なお、県名だけ入力した場合も同じことがいえるでしょう。県の中心にピンが刺さるため、正しいお届け先に配達できません。
配達先の住所に到着したものの注文者が見つからない
お届け先の住所に到着したものの、注文者が見つからず商品を届けられないことがあります。新築のマンションや一戸建ての場合に発生しやすいケースといえるでしょう。原因としては、マップ上の情報が古いため、アプリのマップに住所を入力しても正しく表示されず、本来とは別の位置にピンが立ってしまうことが考えられます。
こうしたケースでは、住所の番地までしっかり入力されているため、配達前にピンずれに気づくことが困難です。そのため、ピンずれが判明するのは配達員が指定の住所に到着して気づくことが多いでしょう。
配達先の住所に建物がない
配達先のピンが、建物がない位置に刺さっているケースがあります。原因として挙げられるのが、地図データに注文者の住所が掲載されていないパターンです。マップの情報が古いと、新築の建物は住所が登録されていないことが多いため、ピンずれが発生しやすくなります。
Google マップのピンずれを防ぐ3つの方法
ピンずれが発生しやすいタイミングは、ウーバーイーツ専用アプリからGoogleマップに移行するときです。ここでは、Googleマップ移行時にピンずれを防ぐための方法について3つ紹介していきます。
住所は手動で入力する
配達員が配達をスタートすると、ウーバーイーツ専用アプリの画面にナビと呼ばれるボタンが表示されます。ナビをタップすると、指定の住所がGoogleマップに自動で入力されます。
Googleマップに自動入力される住所は、確認を怠ればピンずれ発生の原因になるでしょう。自動入力に任せることなく、「手動で入力」することが大切です、検索して適切な配達先を確認できたら、配達を開始します。注文者の住所がわからない場合は、メッセージまたは電話で注文者に確認しましょう。
Google マップではなく他のアプリを使う
ピンずれの発生を防ぐためには、Googleマップの代わりにゼンリンの「いつもNAVI」を利用することがおすすめです。いつもNAVIは最新の地図データを提供する地図サービスです。Googleマップには表示されない番地から、戸建ての個人名まで掲載されています。もしピンずれが発生しても、いつもNAVIで正しい住所が把握できるため、スムーズに配達先へ向かうことが可能です。
また、PayPayアプリの「Yahoo!マップ」を活用するのもよいでしょう。ゼンリン社製の精度の高い地図が使われているため、Googleマップよりも番地・号の記載が詳細に表示されます。なお、画面を長押しすると、住所やマンション名が表示されるため、配達先探しがスムーズに行えるでしょう。
ナビアプリを使用しない
ピンずれの防止策として、ナビアプリを使用しないという方法があります。これは配達に慣れていて、ルートをしっかり覚えている配達員向けの対処法です。
ナビアプリが示す経路に頼らず、自分が知っているルートをたどることで、確実に商品を配達できるでしょう。
ピンずれに気づいたときの5つの対処法
ピンずれは、早めに対処することで配達の遅延を防げる可能性があります。ここでは、ピンずれが発生した際の対処法を5つ紹介します。
配達メモ・メッセージを確認する
ピンずれに気づいた際、まずは配達メモ・メッセージを確認しましょう。配達メモは、住所を入力する際に記入できる注意事項の欄です。
アパートやマンションの場合、同じ名前でいくつかの棟に分かれているケースがあり、どこが配達先なのか判別しにくくなってしまいます。注文者によりますが「〇棟の〇〇号室」「〇〇が目印です」といった内容が配達メモに記載されていることがあります。
電柱柱・家屋に記載された住所を目印にする
ピンずれが起きたとき、周辺の手がかりとなりそうなものを目印にすることで、正しい配達先が見つかる場合があります。ウーバーイーツ専用アプリの地図上でピンが刺さっている位置と配達先の住所の誤差は、300m前後であるケースが多くあります。
電信柱の住所プレートや家屋の表札などを確認しながら、配達先の住所をたどっていきましょう。ピンの位置だけに頼りながら配達先を探そうとすると、配達先を探す時間が多くかかってしまうことがあります。
注文者に連絡を取る
ピンずれによって、指定の住所が明らかにおかしいと感じたときは、注文者に連絡を取って住所の詳細を尋ねることがおすすめです。場合によっては、注文者から配達先までの道のりを教えてもらえる可能性があります。スムーズに配達できるように、お届け先の建物の特徴・表札・周辺の目印になりそうものなどを確認してください。
注文者とのやり取りは、相手の気持ちを考えて丁寧に行うことが大切です。「住所が正しく入力できていませんよ」というように、住所入力の間違いを指摘するような言い方は避けましょう。
注文のキャンセルをする
配達先の注文者が不在であり、連絡も取れない場合は、10分タイマーを作動させてキャンセルの手続きを行いましょう。10分タイマーとは、ウーバーイーツ専用アプリ内で起動できるタイマーのことです。10分経つと注文がキャンセルになり、配達を自動で完了させることができます。
注文者に電話をかけても繋がらない場合、画面上に表示される「〇〇様は応答しませんでしたか?」のメッセージをタップしてください。その後に表示される「電話したことをお客様に通知しますか?」の画面で「通知」をタップすると、10分タイマーが作動します。ただし、タイマーの作動中、最低2回は注文者に電話をかけてください。
10分経過しても注文者と連絡が取れなかったら、注文者に商品を渡さずに配達を完了できます。
ピンずれをサポートに相談する
ピンずれが頻繁に発生するようであれば、ウーバーイーツのサポートセンターに電話で相談するのも1つの方法です。お住まいの地域によってサポートセンターの電話番号が異なるため注意しましょう。サポートセンターの電話番号を記載したメモを控えておくことで、調べることなくすぐに相談できます。
サポートセンターにピンずれが頻発することを相談すれば、対処法や防止策のアドバイスをもらえる場合があります。フリーダイヤルであるため、通話料はかかりません。
ピンずれが起きたときの心構え
ピンずれは、ウーバーイーツの配達員であれば誰でも起こり得るトラブルといえます。配達に慣れていない人のなかには、ピンずれが発生したときの対処法がわからず、不安になってしまうことも多いでしょう。ここでは、実際にピンずれが起きたときの心構えについて解説していきます。
ピンずれが起きても焦らない
ピンずれが起きたときは焦らないようにしましょう。配達時間に遅れるからといって、慌てて走行すると注意が散漫になり事故に繋がることがあります。まずはピンずれがどうして起こったのか、原因や状況を確認することが大切です。落ち着いて行動することで、ピンずれを対処できる可能性があります。
まずはお客様に謝罪
指定の配達先に到着したら、まずは配達が遅れてしまったことをお客様に謝罪しましょう。これは信頼を得るために大切な行動です。意図的にピンずれを行う注文者はあまり考えられず、配達員とお客様のどちらにも非がないケースが多いでしょう。仮にお客様側のミスであったとしても、非難したり怒りをぶつけたりすることは避けてください。
お客様に配達が遅れた理由を説明する
お客様に謝罪した後は、配達が遅れてしまった理由をきちんと説明しましょう。ピンずれについて説明しようとすると、お客様にうまく伝わらない可能性があります。トラブルを避けるためにも、ウーバーイーツ専用アプリの不具合を遅延理由にすることが無難といえます。
お客様側が住所の入力を間違えていた場合も、相手を責めることはやめましょう。今後もお客様がウーバーイーツを気持ちよく利用できるように、丁寧な対応を心がけてください。
まとめ
今回は、ウーバーイーツの配達でピンずれが起きる原因や防ぐ方法、ピンずれに気づいたときの対処方について解説しました。ピンずれはウーバーイーツの配達パートナーであれば、誰でも経験する可能性があります。しかし、配達を始めたばかりの人は、実際の配達先とピンがずれていると焦ってしまうでしょう。
ピンずれが起きた場合は、まずは落ち着いて状況を確認し、冷静に対応することが求められます。急いで配達しようとすると、大きな事故に引き起こすこともあるため注意が必要です。
配達先の住所に到着したときには、まずはお客様にしっかり謝罪したうえで配達の遅延理由を伝えることが大切です。信頼を得られれば発注件数を増えるため、まとまった収入を得られるようになるでしょう。ウーバーイーツの配達員として、効率よく稼ぎたいと考えている方は以下の記事もチェックしてみてください。