フードデリバリーの配達員として働くのであれば、快適な自転車選びが必須です。おすすめの自転車について詳しく知りたいという方も多いでしょう。多くのフードデリバリーサービスは「配達1回あたり」で報酬が決まっているため、数をこなせるスピード性能と長時間の稼働をサポートする快適性の高い自転車を選びたいところです。
そこで本記事では、フードデリバリーに使うおすすめの自転車と選び方を徹底解説していきます。自転車の種類や特徴も紹介しますので、自転車選びで迷っている方はぜひ参考にしてください。
目次
フードデリバリー用自転車の種類
まずは、自転車の主な種類やメリット・デメリットを確認しておきましょう。フードデリバリーの配達員にとって自転車選びは大変重要です。選択する自転車によって仕事中の疲労だけではなく配達効率も大きく変わってきます。
体力の消耗が激しければ報酬に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。快適に稼働するためにも、メリットとデメリットをチェックしたうえで自分に最適な1台を選びたいところです。
シティサイクル(ママチャリ)
「ママチャリ」と呼ばれる、一般的な自転車です。フードデリバリーでも多く使われています。実際にママチャリで配達している人を見かけることは少なくありません。
ママチャリの大きなメリットは「価格が安い」という点でしょう。初期投資は抑えたいと思っている方も、ママチャリであれば1万円以下で購入することも可能です。前カゴが付いているので、荷物の置き場所にも困りません。リアキャリアにカゴやコンテナボックスを設置すれば配達も快適です。
ママチャリのデメリットとしては、スピードの遅さが挙げられます。体力の消耗も激しいため、長時間の配達には向いていません。価格重視でママチャリを選ぶ場合は、快適に移動できるギアが付いたタイプを選びましょう。
電動アシスト自転車
電動モーターで走行を補助してくれる自転車です。電動アシストによって上り坂でもスムーズに移動できるため、配達中の体力消耗を防げます。坂道が多いエリアで稼働する機会が多い場合や長時間の稼働を考えている方は、電動アシスト自転車を選ぶといいでしょう。
デメリットとしては「バッテリー切れ」が挙げられます。車種にもよりますが、1回の充電で走行できる距離は40km〜50kmほどです。電動アシスト自転車はバッテリーが切れると普通の自転車になるのではなく「重たい自転車」になってしまうので注意が必要です。ママチャリに比べて価格が高いのもデメリットといえます。少しでも初期投資を抑えたい場合はママチャリを選択した方がいいでしょう。
折りたたみ自転車
コンパクトに折りたたんで持ち運べる自転車です。自宅から配達エリアまでが遠く、バスや電車で移動している人には最適な自転車になるでしょう。ママチャリに比べると価格は高くなりますが、ロードバイクなどよりは安めです。
折りたたみ自転車はタイヤが小さいため、スピードが出にくいというデメリットがあります。これは体力の消耗に繋がるので、長時間の配達には向いていないでしょう。フードデリバリーでしっかり稼ぎたいという方は、別のタイプを選ぶのが無難です。
ロードバイク
ロードバイクは競技用の自転車です。速く走ることを目的としているため、スピードが出やすいというメリットがあります。車体も軽く、素人でも時速30km前後は簡単に出せてしまうので、原付バイクとほぼ同じ速度で配達をこなすことも可能です。スピードに伴って配達効率が上がれば報酬も稼ぎやすくなるでしょう。手の疲れを防ぐドロップハンドルを採用しているのも特徴です。
ただし、前傾姿勢での乗車となるため、背中のバッグに入っている料理が崩れやすいというデメリットがあります。価格が高いロードバイクには盗難の心配もあります。
マウンテンバイク
マウンテンバイクは、山やオフロード用などを走るための自転車です。段差のショックを吸収するサスペンションが付いているため安定感があり、料理が崩れるのも防げます。
ただし、平坦な道でスピードを出すタイプの自転車ではないので、効率重視という方には向いていません。価格も高く、平均して10万円ほどの初期費用がかかってしまいます。すでにマウンテンバイクを所有しているという方であれば問題ありませんが、配達用に新しく購入するのは避けたほうがいいでしょう。
クロスバイク
マウンテンバイクとロードバイクの長所だけを合わせたような自転車です。スピードが速いので効率的に配達でき、走る場所も選びません。サドル側に重心があるので、ロードバイクよりも前傾姿勢にならず走れるのも魅力でしょう。ママチャリよりも価格は高めですが、モデルによっては2〜3万円で購入することも可能です。
カゴが付いていないのはデメリットですが、配達だけではなく日常的な移動にも問題なく使えるので、新しい自転車の購入を考えている人はクロスバイクを検討してみてください。
フードデリバリーで自転車を使うメリットとデメリット
原付バイクを使っている配達員も少なくありませんが、フードデリバリーに自転車を使うメリットとデメリットには何があるのでしょうか。自分に適した配達手段を把握するためにも、フードデリバリーに自転車を使うメリットとデメリットを確認しておきましょう。
フードデリバリーで自転車を使うメリット
フードデリバリーで自転車を使うと、次のようなメリットがあります。
- 免許証がなくても稼働できる
- 短距離ならバイクより速い
- 法的な規制が少ない
- 運動やダイエットにもなる
- ガソリン代が不要
- 道を間違えてもすぐに戻れる
- 駐車する場所に困らない
自転車を使うもっとも大きなメリットは、免許証が不要であるという点でしょう。副業で気軽に始めたいという方には、自転車での稼働が最適です。
自転車はガソリン代も不要で、駐車する場所にも困りません。バイクよりも小回りが利くので、配達中に道を間違えてもすぐに戻れるというメリットもあります。運動やダイエットも兼ねて働けるのも自転車ならではのメリットです。
フードデリバリーで自転車を使うデメリット
フードデリバリーで自転車を使うと、次のようなデメリットがあります。
- ロングドロップで時間をロスしやすい
- バイクに比べると体力を消耗しやすい
- 天候に左右される
- 電動アシスト付き自転車でない場合は上り坂の移動が困難
自転車配達のデメリットは、ロングドロップで時間をロスしやすいということです。例えば出前館の業務委託として働く場合、配達距離は「片道4kmまで」と決まっています。しかし、自転車での4kmは意外と時間がかかります。
長時間の移動でも疲れにくいロードバイクやクロスバイクであれば問題ありませんが、一般的なママチャリで4kmを移動するのは厳しいでしょう。また、最近のウーバーイーツは長距離でも配送料が安くなるケースが多いという問題もあります。
フードデリバリーに使う自転車の選び方
フードデリバリーに使う自転車を選ぶ際には、次の3点に注目する必要があります。
- 用途と予算
- 体のサイズ
- 自転車の特徴とデザイン
それぞれ詳しく見ていきましょう
用途や予算をふまえ検討する
フードデリバリーの配達専用に自転車を購入する場合は、高価な自転車を選ぶと後悔する可能性があります。配達とは別にプライベートでもサイクリングを楽しむという方であれば高価なロードバイクや折りたたみ自転車でも構いませんが、そうでない場合は配達効率を優先して選ぶことが大切です。
スペックの高い自転車は価格も高くなるので、予算との兼ね合いで決める必要もあります。予算に余裕がある人は、プライベート用とは別に配達用の自転車を購入してもいいでしょう。
体の大きさに合った自転車を選ぶ
体に合わない自転車を選ぶと、配達中の事故にも繋がるので注意が必要です。一般的には「サドルに座って停車しているときに、地面に足が軽くつく程度のサイズ」が好ましいとされています。自転車のサイズ選びで迷ったときには、下表を目安にしてみてください。
ホイールサイズ | 身長 |
24インチ | 約135㎝~165㎝ |
26インチ | 約140㎝~170㎝ |
27インチ | 約150㎝~180㎝ |
ただし、同じホイールサイズでも車種によって適応身長は異なるので注意が必要です。購入後に後悔しないためにも、事前に試乗して確認するようにしましょう。
自転車の特徴や好みのデザインかを考慮する
自転車のデザインは配達効率に大きな影響を与えませんが、好みのデザインで選べば配達する際のモチベーションがアップします。各自転車の機能や特徴だけでは選べないという人は、見た目重視で選んでも問題ないでしょう。
ジャンルや価格が似ている自転車は性能も同じであるケースが多いので、最終的に見た目で判断しても後悔する可能性は低くなります。そのため、「どうしても選べない」という場合は、見た目を重視して選ぶのが最善となるのです。
フードデリバリーに使う自転車は電動自転車かクロスバイクがおすすめ
フードデリバリーに使う自転車選びで迷ったときには、電動自転車かクロスバイクがおすすめです。電動自転車はモーターのアシストが付いているため、上り坂でも疲れずに移動できます。体力の消耗を抑えながら長時間稼働することも可能です。バッテリーの充電切れというデメリットはありますが、休憩時間を活用して充電すれば問題ないでしょう。
走る道を選ばずスピードも出せるクロスバイクは、長距離の配達にも向いています。優れた安定性もおすすめポイントです。モデルによっては2万円〜3万円で購入できるため、初期投資も少なくて済みます。
フードデリバリーの自転車はレンタルもおすすめ
フードデリバリーには、レンタサイクルを使うこともできます。ここでは、おすすめのレンタサイクルを4社紹介します。
ドコモバイクシェア
東京都心部を中心に全国展開している電動アシスト自転車のレンタルサービスです。赤い車体が特徴的なので「赤チャリ」の愛称で親しまれています。料金はエリアによって異なりますが、1日 1,650円(税込)が平均的です。
サイクルポートも多いので、気軽に利用・返却することができます。借りたサイクルポートと返却するサイクルポートが異なっても問題ありません。配達で遠くまで移動することになっても元の場所に戻る必要がないのは魅力です。
COGICOGI
東京都の中央区や千代田区だけでなく、京都、大阪、福岡などでもサービスを展開しているサービスです。料金は「半日」「1日」「2日」の3プランから選択できます。さらに、フードデリバリーの配達員に適した「月額プラン」も用意されています。
月額プランを選べば、稼働するたびにサイクルポートへ出向く必要がありません。なお、各料金は自転車の車種や走行可能距離によって異なります。
HELLO CYCLING
スマホアプリからでも簡単に借りられる電動自転車のシェアサービスです。ICカードを利用すれば、アプリがなくても利用できます。料金はエリアによって異なりますが、標準的な価格は最大12時間で1,800円(税込)です。最短30分から借りられるので、電動自転車の乗り心地を試してみたいという方もチェックしてみるといいでしょう。
PIPPA
30分110円(税込)からという低価格で自転車を借りられるサービスです。30分以降も30分ごとに110円(税込)で借りることができます。他のサービスと違って電動アシスト自転車ではありせんが、短時間だけ働きたいという場合や利用料金を抑えたいという人にはおすすめです。
まとめ
自転車選びで迷った場合は、体力の消耗を抑えながら効率的に移動できるクロスバイクか電動アシスト付き自転車がおすすめです。短時間での稼働であれば、レンタサイクルを利用してみてもいいでしょう。
配達のモチベーションを上げるためにも、自身に適した自転車を選ぶことは重要です。近年では多くのフードデリバリーサービスがあるため、配達員として働くサービスに適した自転車を選ぶことも忘れないようにしましょう。