近年では、多くのフードデリバリーサービスが普及しています。配達員として働くことを検討する際に、多数のフードデリバリーサービスのなかから、どのデリバリーサービスに登録するか悩む方も多いでしょう。
デリバリーサービスには、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分に合ったデリバリーサービスで働くためには、それぞれの違いを比較・検討することが大切です。
この記事では、デリバリーサービスであるWoltとウーバーイーツにフォーカスして違いを紹介します。デリバリーサービス選びで失敗したくない方は、ぜひ参考にしてください。
目次
【配達員向け】Wolt(ウォルト)とUber Eats(ウーバーイーツ)の比較
Woltとウーバーイーツの違いを確認する前に、比較するポイントを押さえておきましょう。デリバリーサービスを選ぶ際には、次の6項目を比較することで自ずと自分に合ったデリバリーサービスが見えてくるでしょう。
- 配達エリア
- 加盟店舗数
- ユーザー数
- 配達報酬
- サポート体制
- 勤務条件
以下では、各項目について詳しく解説します。
配達エリア
デリバリーサービスの配達エリアを必ずチェックしましょう。住んでいる都道府県が配達エリアに含まれていない場合、そのサービスで稼ぐことは難しくなります。
配達エリアが広範囲なデリバリーサービスほど、配達活動の自由度が上がります。例えば、関東全域が配達エリアに含まれるサービスの場合、東京在住の方が出先の埼玉で配達依頼を受注することも可能です。そのため、配達エリアが自分の活動範囲を幅広くカバーしているデリバリーサービスを選ぶとよいでしょう。
加盟店舗数
加盟店舗数が多いデリバリーサービスほど、仕事の選択肢が増えて近場の配達依頼を受注しやすくなります。近場であれば短時間で複数の配達依頼をこなせるため、より稼ぎやすくなるでしょう。
また移動の負担を減らしたい方は、自分の活動範囲に多くの加盟店があるデリバリーサービスを選びましょう。配達員の仕事は、加盟店から料理を受け取るところから始まります。加盟店が遠方にある場合、長距離の移動が発生して配達員の負担は増えてしまうでしょう。
ユーザー数
配達員が配達依頼を受注する相手は、デリバリーサービスの利用者です。利用者数が多いデリバリーサービスほど多くの配達依頼が発生するため、受注のチャンスが増えます。
特に配達員初心者の場合は、ユーザー数が多いデリバリーサービスを選ぶことをおすすめします。利用者数が少ないと、限られた配達依頼を多くの配達員で争奪する構図になりやすく、初心者の受注難度は高いといえます。
配達報酬
配達員として稼ぐのであれば、見逃せないのが配達報酬です。報酬体系はデリバリーサービスによって異なるため、自分が稼ぎやすいデリバリーサービスを選ぶ必要があります。例えば、長距離配達で稼ぎたい方の場合、距離報酬が高いデリバリーサービスのほうがよいでしょう。
また、基本報酬に上乗せできる「インセンティブ」もしっかりチェックすべきです。多くのデリバリーサービスでは、注文が多い時間帯・エリアの配達の報酬にインセンティブを加算しています。こうしたインセンティブが多く適用されれば、基本報酬がそれほど高くなくても稼ぎやすくなるでしょう。
サポート体制
各デリバリーサービスでは、さまざまなサポート体制をとっています。特に配達員初心者の場合は、配達員用アプリの使い方が分からないといったケースも考えられます。そのため、サポート体制が充実しているデリバリーサービスを選ぶようにしましょう。
登録時に説明会を行っているデリバリーサービスであれば、サービスの詳細やアプリの使い方などを教えてもらえます。また、チャットサポートなどの窓口があると、困ったときに専門スタッフへ相談できるため安心です。
勤務条件
勤務条件が自分に合っているかどうかもチェックしましょう。例えば、夜間配達を希望の場合、配達可能な時間が短いと夜間に活動できないこともあります。
また、配達時の服装や配達バッグを指定しているデリバリーサービスも珍しくありません。こうした指定があると、複数デリバリーサービスの掛け持ちは難しくなります。自由なスタイルで働きたい方の場合、こうした指定を窮屈に感じることもあるでしょう。
勤務条件をチェックする際には、自分の都合や好みと照らし合わせて考えましょう。
Wolt(ウォルト)とUber Eats(ウーバーイーツ)の違いを配達員目線で比較!
以下では、Woltとウーバーイーツの違いを前述した6項目で比較表にしています。
Wolt (ウォルト) | Uber Eats(ウーバーイーツ) | |
配達エリア | 23都道府県 | 47都道府県 |
加盟店舗数 | 3万店舗以上 | 15万店舗以上 |
ユーザー数 | 50万人以上 | 500万人以上 |
配達報酬 | 基本料金(400円~地域により変動) +距離料金(100mごとに10円加算) +インセンティブ =全体報酬 オンライン時間保証も利用可能 | 基本料金(300円程度)+配達調整金額(交通混雑など)-サービス手数料(10%)+インセンティブ =全体報酬 |
主なインセンティブ | ブースト (エリアの依頼件数が増加した場合) ウィークリーボーナス (1週間の配達件数に応じて付与) 紹介制度 (紹介した配達員が100件配達した場合) | ブースト (依頼が多い時間帯・エリアの場合) クエスト (課せられたクエストを達成した場合) ピーク料金 (エリアの依頼件数が増加した場合) |
サポート体制 | チャットサポートあり 契約前にオンライン説明会あり | チャットサポートあり 契約前にオンライン説明会なし |
勤務条件 | 服装・バッグの推奨あり(貸出/購入) 配達可能時間:8:00~24:00 | 服装の指定なし バッグの推奨あり(要購入) 配達可能時間:7:00~深夜1:00 |
※記載内容は2022年6月時点のものであり、今後変わる場合があります。
以下では各項目について、順番に解説します。
配達エリア
配達エリアはWoltが23都道府県、ウーバーイーツが47都道府県です。配達エリアの広さでは、フードデリバリーの先駆けとして広く浸透しているウーバーイーツが上回っています。すべての都道府県が配達エリアとなっており、都市・地方を問わず配達員として働きやすいでしょう。
一方のWoltは、日本でのサービス展開が2020年からと遅いこともあり、現状の配達エリアは限定されます。ただし、Woltの配達エリアは急速に拡大しており、今後はより多くの地域で配達可能になるでしょう。
加盟店舗数
加盟店舗数はWoltが3万店舗以上、ウーバーイーツが15万店舗以上となっており、サービス開始が早いウーバーイーツの加盟店舗数が多くなっています。加盟店舗数が多いと近場の配達依頼を受注しやすいため、長距離配達を避けたい方にはウーバーイーツが向いているでしょう。
しかし、Woltの加盟店舗数も着実に増加しています。また、Woltは北海道や東北を中心にサービス展開が進んでいます。都心部や寒冷地に住んでいる方であれば、Woltでも配達の選択肢は増えるでしょう。
ユーザー数
ユーザー数はWoltが50万人以上、ウーバーイーツが500万人以上となっています。全国的にサービス展開を続けるウーバーイーツは、配達リクエストが発生しやすい分、配達員の経験があれば短時間で複数の配達もしやすいでしょう。
Woltはサービス展開の途上であり、地域によってユーザー数は大きく変わります。前述の通り、北海道や東北などであればユーザー数が比較的多いため、初心者でも受注しやすいでしょう。
配達報酬
Woltとウーバーイーツの報酬体系はそれぞれ下記の通りです。
Woltの全体報酬=
基本料金(400円~)+ 距離料金 + インセンティブ
ウーバーイーツの全体報酬=
基本料金(300円程度)+ 配達調整金額 - サービス手数料(10%)+ インセンティブ
基本料金は、配達1件あたりに発生する報酬です。Woltの基本料金は地域により変動しますが、最低でも400円以上となり、ウーバーイーツよりも高い傾向があります。
また、Woltはレストランから配達先までの距離に応じた「距離料金」も別途加算されます。ウーバーイーツでも配達距離・配達時間は基本料金に反映されますが、400円を超えるケースは多くありません。ウーバーイーツでは交通混雑などのイレギュラー時に「配達調整金額」が加算されますが、報酬額から10%のサービス手数料が差し引かれます。
Woltであれば「オンライン時間保証」を適用できます。オンライン時間保証とは、配達員として活動予定の時間を事前に予約すれば、その時間の受注がゼロでも最低限の報酬がもらえる制度です。以上を総合すると、報酬面でいえばWoltがおすすめです。
サポート体制
Woltとウーバーイーツのいずれにもチャットサポートがあり、困った際にはオンライン相談が可能です。またWoltの場合は、契約前にオンライン説明会も開催されます。サービスの詳細やアプリの使い方などを事前にしっかり把握できるため、配達員初心者の方でも安心です。
一方、ウーバーイーツでは契約前のオンライン説明会はありません。そのため、配達員としての経験がある方でも、契約後のトラブルを防ぐためにもサービスに関して不明点があれば事前に確認しておきましょう。
勤務条件
それぞれの勤務条件について、服装・配達バッグ・配達可能時間に分けて解説します。
- 服装
Woltの場合、配達時には専用のジャケットやキャップを着用することが推奨されています。義務ではないものの、服装が原因で発生したトラブルにはペナルティを受けるリスクがあるため注意が必要です。
ウーバーイーツの場合、基本的に服装の指定はありません。もちろん最低限の節度は持つべきですが、自由なスタイルで配達をしたい方にはウーバーイーツがおすすめです。
- 配達バッグ
Woltとウーバーイーツの両サービスにおいて、専用の配達バッグを使用することが推奨されています。ただし、Woltの場合は、事前に預り金を支払うデポジット制で借りることが可能なため、購入する必要はありません。一方のウーバーイーツでは、デポジット制が廃止となったため、Amazonやウーバーイーツ公式サイトで購入する必要があります。
- 配達可能時間
配達可能時間は地域によって前後しますが、ウーバーイーツのほうが全体的に配達時間の幅は長めに設定されています。朝の早い時間や夜の遅い時間に配達員として稼ぎたい場合は、ウーバーイーツのほうが適しているでしょう。なおWoltの場合、基本の営業時間は8:00~24:00ですが、曜日によって営業終了時間が異なる地域もあります。
Wolt(ウォルト)とUber Eats(ウーバーイーツ)、どちらの配達員がおすすめ?
登録するデリバリーサービスを決める際には、それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで選ぶべきでしょう。ここでは、Woltとウーバーイーツのメリット・デメリットについて順番に解説します。
Wolt(ウォルト)の配達員になるメリット
Woltの配達員になるメリットは、主に次の2つです。
- 初心者でも安心
Woltであれば、サポート体制が整っているため配達員初心者でも安心して働けるでしょう。前述したオンライン時間保証を使えば、配達依頼を受注できなくても最低限の報酬がもらえます。また、契約前のオンライン説明会によって不安な点を解消できるのも嬉しいポイントです。
- 長距離配達で稼ぎやすい
Woltでは、加盟店から配達先までの距離が長いほど、距離料金が加算されます。そのため、長距離配達に抵抗がない方であれば稼ぎやすいでしょう。ただし、ピックアップ(受注場所から加盟店までの移動)には距離料金が発生しないため注意が必要です。
Wolt(ウォルト)の配達員になるデメリット
Woltの配達員になるデメリットは、主に次の2つです。
- 移動の負担が増えやすい
ウーバーイーツと比較すると加盟店舗数やユーザーの数が多くないため、長距離配達になりやすいといえます。特に都心部やWoltの対応エリアに含まれていない地域に住んでいる方だと、移動の負担が増えやすいでしょう。
- 働き方の制約が多い
Woltでは指定の服装や配達バッグを推奨されるため、デリバリーサービスの掛け持ちはしづらいといえます。また、複数の配達依頼を自動受注できる「同時配達モード」を使う場合、長距離配達でも拒否できません。Woltで収入アップを目指す際には、こうした制約が気になる方もいるでしょう。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達員になるメリット
ウーバーイーツの配達員になるメリットは、主に次の2つです。
- 少ない移動でも稼ぎやすい
加盟店舗数やユーザー数が多いウーバーイーツでは、都心に限らず地方でも多くの配達依頼が発生します。活動場所を問わず近場の配達依頼を受注しやすい分、配達回数を増やすことでまとまった報酬を稼ぎやすくなります。
- 自由なスタイルで働きやすい
ウーバーイーツでは早朝や深夜の配達という選択肢もあります。自分の好みやライフスタイルに合わせて働きやすいのはメリットといえるでしょう。
また、服装の制約がないため自由な服装で配達できます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達員になるデメリット
ウーバーイーツの配達員になるデメリットは、主に次の2つです。
- 初心者だと不安要素が多い
ウーバーイーツでは、チャットサポートはあるものの、契約前のオンライン説明会がありません。また、Woltのようなオンライン時間保証がないため、配達依頼を受注しなければ基本的に収入は得られないため、配達員初心者の方にとって不安要素が多いといえます。
- 収入アップのハードルが高い
加盟店舗数やユーザー数が多いウーバーイーツは、配達員の数も多く存在します。Woltと比較すると国内でのサービス提供期間が長いため、熟練した配達員も少なくありません。多くの配達員から配達依頼を勝ち取る必要があるため、配達員としての経験がないと収入アップは難しいでしょう。
Wolt(ウォルト)やUber Eats(ウーバーイーツ)以外の選択肢も検討しよう!
これまで紹介したWoltやウーバーイーツが、すべての方に合っているとは限りません。Woltやウーバーイーツが向いていないと感じる方は、他の選択肢も検討しましょう。ここでは、Woltやウーバーイーツ以外でおすすめのデリバリーサービスを3つ紹介します。
出前館
「出前館」は、約800万人のユーザー数を誇る人気のデリバリーサービスです。受注1件あたり約715円 という、デリバリーサービスのなかでもトップクラスの高い報酬が魅力といえます。1件あたりの配達距離が比較的短いため、複数の案件をこなして効率的に稼ぐことが可能です。
業務委託で契約する場合、説明会で拠点スタッフからサポートしてもらえるので、初心者でも気軽に始められます。はじめて配達員として働くのであれば、最初に登録を検討したいデリバリーサービスです。
「menu」は、2020年に登場したばかりのデリバリーサービスです。24時間配達可能で、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける魅力があります。2022年6月時点でユーザー数や加盟店舗数はそれほど多くありませんが、都市部に住んでいる方は検討してみるのもよいでしょう。
デリズ
「デリズ」は、20年近い歴史のあるデリバリーサービスです。寿司チェーン店を展開する「小僧寿し」の完全子会社であり、自社系列店からの配達と他店からの配達を組み合わせた、珍しい業態となっています。配達エリアは限られますが、時給制のため受注に慣れていない初心者でも十分に稼ぐことができます。
まとめ
配達員として働く際に、Woltには初心者でも比較的稼ぎやすく、ウーバーイーツには自由なスタイルで働きやすいなどの魅力があります。しかし、それぞれにデメリットもあり、すべての人にこれら2つのサービスが合っているとは限りません。
デリバリーサービスは、他にも多数存在します。デリバリーサービス選びを成功させるためには、さまざまな選択肢を考慮することが大切です。次の記事では人気デリバリーサービス5社を比較して紹介しているので、ぜひ参考にしてください。